part2「コアトリエとうほくサミット&マルシェ」東北各地から魅力溢れる団体をご紹介

part2「コアトリエとうほくサミット&マルシェ」東北各地から魅力溢れる団体をご紹介

コアトリエとうほくサミット&マルシェでは、東北各地から魅力溢れる9つの団体に、登場いただきます。
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出展者のご紹介 No.4
工房ストロー「藁を活かした手仕事と土地の味わい」

昭和8年(1933年)、山形新庄に、旧農林省積雪地方農村経済調査所(略称=雪調)が設置されました。最上・村山地方をはじめ、生活に苦しむ雪国の農村を立て直すことを目的としてつくられた、全国に類を見ない施設です。農業はもとより、長い冬の手仕事や生活環境まで、様々な研究と実践が展開されました。現在は施設の一部が残り、雪の里情報館として研究が続けられています。

時代は平成に至り、この施設の大変な意義を紐解きながら、混迷の東北農山漁村をたてなおそうと、地元の佐藤氏や民俗研究家・結城登美雄氏らが協力し「雪調に学ぶ講座」が開催されてきました。そうした文脈を受け継ぐ若きリーダーの一人が、工房ストローを主宰する高橋伸一さんです。最上郡真室川町の職員などを経て、実家を継ぎ、夏は農業、冬は藁細工にいそしみます。

とはいえ、そのスタイルはかつての暗い山村イメージではありません。名人・伊藤佐吉さんに伝授された藁細工は、一つ一つに心がこもり、しかも可愛くてお洒落。その定評は、クラフト系の人々にも知られる存在となっています。
また、高橋さんや、デザイナーの吉野敏充さんらの異業種コミュニティは、新庄エコロジーガーデンを利用した「キトキトマルシェ」にも発展。衣食住の土地の味わいがいま、その魅力を広げつつあります。

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出展者のご紹介No.5
大野木工生産グループ「一人一芸の村・木工クラフト」

北上産地の北端に位置する九戸郡洋野町大野は、冷涼で夏期にヤマセの影響を強く受けるため、凶作にあえいだ歴史を持っています。酪農、畜産を主体とするも、一時は年数百人を超す村民が大工、土工として出稼ぎに出ていました。

そこで、地元のリーダーらは東北工業大学工業意匠学科の秋岡芳夫教授を訪ね、出稼ぎ対策となるような商品開発指導を依頼します。木工の実指導は、国内屈指のろくろ氏だった時松辰夫同大学講師。昭和55年に「大野春のキャンパス’80」が開かれ、地域資源=赤松、栗、栓、榛などの豊富な木材と大工技術を活かした「裏作工芸」によるまちづくりが始まりました。

できあがってきた味わい深い器と生産流通体制をどう活かすか。それを、地元の学校給食の器にしたのです。地域の成果を、まず地域の子どもたちに。量産一辺倒だった時代に一石を投じる印象を与えたこの動きは注目を集め、とたんに全国から注文が舞い込むことになりました。

それから40年。東北におけるコアトリエ的活動の先駆世代はいま、何をみつめ、何を課題としているのか。サミットは、プロジェクトのキーワード「多世代共創」について学ぶ好機となるでしょう。また、マルシェでは「ろくろの実演と体験」コーナーも設ける予定です。

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出展者のご紹介 No.6
丸森コアトリエ「シルクをめぐる丸森まなみやげ」

近代日本の殖産興業をけん引した蚕糸業を支える養蚕農家は、全国に広がります。宮城県南端、清涼な風がそよぐ阿武隈川流域の丸森町でも、起伏の豊かな中山間に、養蚕をはじめとする多種多彩な生業が展開してきました。近年、養蚕は全国で衰退してしまいましたが、丸森ではいまなお5軒が続いています。

また、町内の大内佐野地区には「佐野地織」が伝えられてきました。それは家内工業というよりも、女性たちの「身仕事」というべき自作自用の技。高価な絹も使いますが、木綿から裂き織りまで、何でもこなします。

隣接する白石和紙とも通じる丸森和紙。その工房では、桑の皮と絹糸を漉いたシルク和紙の製作が探求され続けています。さらに、自生する野草の数々から彩りを得ようと、染めを探求する人々や、出荷できない繭から繭細工をつくり、小学校の卒業記念品の親子製作を指導する人々もいます。

そうした豊かな「技」も、つい最近まで、同じ町内にありながら、互いに知っている程度でした。そこで、まずは共同して成果発表を行う展示販売の場をつくることとし、メンバーの工房の一角に、定期的に相談する共創の場「丸森コアトリエ」を構えることにしたのです。繭から織物、染物、細工、和紙まで。共同のとりくみ成果を「丸森まなみやげ」と題し、持続可能な製作・販売をめざしています。地域でつくり、地域をつくる。そうした作品を、ぜひ手に取ってみてください。

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出展者のご紹介 No.7
北秋田市阿仁「マタギと山のくらし術」

山林が国土の大部分を占める東北。
マタギという生き方は、これを尊重し、生態系のなかに溶け込んでくらす技と知恵の極みといえるかもしれません。あるときは現代都市文明との共存に課題を認識し、またあるときは動植物の変調から、バランスを失った生態系を垣間見る。
「持続可能な開発目標」が世界的な命題となっている現在ですが、要するに現場では何をすれば良いのか。マタギはそれを、知っているのかもしれません。
東北の生業を考えていくと、山海のくらしの原風景を知りたくなります。今回は、北秋田市阿仁町から、その継承者とともに、その文化と魅力を支え、伝える人々をお招きします。さらに、地元の山菜なども販売頂ける予定です。
森の恵みを忘れがちな私たちが、驚きや感激とともに学べることは、決して少なくないはずです。

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